JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク

科学映画上映『南極探検の歴史――南極1』

2017.08.24
ACADEMIA

日時 2017年8月24日(木)16:00
   (開場15:45、終了予定時間17:30)
場所 インターメディアテク2階ACADEMIA(レクチャーシアター)
参加費 無料(事前予約不要)
席数 48席(先着順、席に限りがありますので予めご了承ください)
*撮影および録音は禁止とさせていただきます。
*会場でのご飲食(ガムを含む)はご遠慮ください。


 1956年11月、南極観測船「宗谷」が日本を出発しました。1957年の国際地球観測年に行われた南極観測に参加するためです。終戦からわずか11年、敗戦国であった日本が学術研究の白眉である南極調査に参加するには、数々の困難がありました。
 南極観測は日本の復興と国際社会への復帰を示すものとして、国民に歓迎されました。これに関連して、学校教材として日本写真新聞通信社がスライドを制作・販売しました。35ミリフィルムロールにスライドを焼き付けた型式で、当時は教材として一般的でしたが、マウントタイプが一般化するにつれて廃れてしまったものです。南極に関しては「南極探検の歴史」「南極と北極」「南極の学術観測」の3タイトルが作られました。
 今回、大島潤一氏・ひとみ氏の協力により、氏の所有するスライドをデジタル画像として公開する機会をいただきました。
 本シリーズではこの3本のスライドを1本ずつ上映し、世界最後の秘境である南極に対する人々の熱い想い、あるいは学術的な重要性を、当時のスタイルを偲びつつ紹介いたします。第2回「南極と北極」、第3回「南極の学術観測」は次期公開予定です。

 第1回は国立極地研究所の渡辺佑基氏をゲストとして、現代の南極探検についてもご紹介いただきます。かつての「国威掲揚」のための南極踏破から、現代の地球環境をテーマとし国際共同研究が当然となった歴史、そして今も変わらぬ南極への情熱を感じていただければと思います。

主催 東京大学総合研究博物館
協力 大島潤一、大島ひとみ
企画構成 東京大学総合研究博物館インターメディアテク研究部門


【上映作品】

第1回「南極探検の歴史」
1954—1955年/26枚/35mmをデジタル化/カラー/スライド
制作:日本写真新聞通信社/監修:永田 武・西堀栄三郎/指導:宮地政司
ロスの南極大陸発見から、アムンゼン隊の南極点への到達、スコット隊の痛ましい遭難、白瀬隊の南極探検、シャクルトン隊の遭難と帰還、バードの航空機を用いた探検、1954年に行われた予備調査まで、南極探検の歴史を紹介している。スライド1枚ごとに対応した解説冊子が付属しており、教材として読み上げることも考慮されていたのだろう。

【ゲスト紹介】
渡辺佑基(国立極地研究所准教授)
ペンギンやサメなど、海洋生物のバイオロギングを用いた研究の第一人者。バイオロギングとは、動物にセンサーやカメラを取り付け、行動データを記録し解析する手法である。南極調査にも参加している。著書に『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』(河出ブックス)など。

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