2023.01.20-2023.05.07
INTERMEDIATHEQUE 3F
インターメディアテク開館十周年を機に、鳥をモチーフとした宝飾芸術の歴史的名品を、鳥の剥製標本をはじめ一級の自然誌標本および研究資料と併せて展示します。東京大学総合研究博物館と、ヴァン クリーフ&アーペルが支援する宝飾芸術の教育研究機関「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」とが共同で主催する本展示では、「実物」とさまざまな「表現」による鳥の対話を通じて、鳥がどのように学術的に記載され、研究されたのか、また同時に芸術においてどう表象され、それがジュエリーの世界においてどのような工芸的表現に転換されたか、その変遷を明らかにします。
本展示は「インターメディアテク博物誌シリーズ」の第十回となります。
主催: 東京大学総合研究博物館+レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校
協力: 山階鳥類研究所
協賛:ヴァン クリーフ&アーペル
企画: 東京大学総合研究博物館インターメディアテク寄付研究部門+東京大学総合研究博物館国際デザイン学寄付研究部門
展示の見所
貴石や金属に最高峰の技術を施して生まれた装飾豊かな「鳥」は、工芸の頂点の一つに位置付けられます。一方、それら宝飾品を作ったアーティストの眼差しを理解するうえで欠かせないのが、そのインスピレーションの源となった鳥そのものです。本展示では、日本で初公開となる海外のプライベート・コレクションより、鳥をモチーフとした19世紀半ばから現代に亘る、多くのメゾンや作家による選りすぐりのジュエリー約100点とともに、東京大学総合研究博物館および山階鳥類研究所のコレクションから歴史的な鳥の剥製標本およびスケッチに焦点を当て、アートとサイエンスの観点から鳥をめぐる対話を演出します。
本展示は、鳥類の色彩や羽毛の多様性とその生物学的意味を知り、それにインスパイアされた人間のデザイン、そして人間の想像を超える進化の妙を体験できる場とすることが狙いです。特に、自然科学的視点の一つとして、展示の命名のモチーフとなったオオフウチョウ(極楽鳥)に注目します。極楽という名はその姿にふさわしいものですが、そこには歴史や伝説、そして保護という側面も秘められています。
会場デザインは、夜の鳥から昼の鳥、さらにファンタジーの鳥へ、すなわち暗い世界から幻想的な場へと、インターメディアテクの世界観にふさわしい、詩的な空間を演出します。
「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」について
フランスを代表するハイジュエリーメゾン、ヴァン クリーフ&アーペルの支援のもと、2012年にパリのヴァンドーム広場に創設されたレコールは、ジュエリーと宝飾芸術の世界を広く一般に向けて門戸を開いた世界で初めての学校です。通年、パリ本校と香港キャンパスにおいて講義を提供(英語、フランス語)するほか、東京、ニューヨーク、ドバイなど主要都市において特別講座を開催し、世界中に学びの場を広げています。当校はまた、展覧会や出版物、美術館や他の学術機関とのパートナーシップ、オンライン教育ビデオ、ジュエリーと宝飾芸術に関するライブラリーの公開などを通じて、さまざまな形で研究支援を行っています。
https://www.lecolevancleefarpels.com/jp/ja
<IMT公式動画チャンネル>
特別展示『極楽鳥』