2022.07.26-2022.11.27
STUDIOLO
会期 2022年7月26日 – 10月23日
>会期延長11月27日まで
かつて、剥製標本は何よりも重要な資料であり、標本コレクションこそが学問の代名詞でした。そのような標本を収集するのはしばしば富豪や貴族であり、そうした顧客の審美眼に叶うものであるためにも、標本は端正で美しいものとなりました。かくして、その台座やケースも入念に設えられ、標本は工芸品としての価値さえ持つに至ったのです。
本展示では、かつて皇室に献上された、一級品の標本を取り上げます。そこには日本人が初めて捕獲したと考えられるペンギンの標本も含まれます。それらの標本は山階鳥類研究所に移管され、一部は現在、当館に寄託されています。また、巡洋艦・高千穂に飛来したというタカの標本や、献上の様子を描いたとされる掛軸も合わせて展示します。
皇室御用標本師、新宿御苑、吉兆、献上品の謎…… 様々な側面を通じて、この一連の剥製を学術標本として、また歴史資料として、あるいは美術作品として観察し、鑑定し、鑑賞する機会となれば幸いです。
主催 東京大学総合研究博物館
協力 人鳥堂本舗、大島潤一、大島ひとみ