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特別公開『東大植物学と植物画――牧野富太郎と山田壽雄vol.2』

2020.12.08-2021.06.06
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 東京大学総合研究博物館所蔵の「山田壽雄植物写生図」の中から、59点の着色画を展示更新して初公開いたします。植物学者・牧野富太郎と植物画家・山田壽雄の協働から生まれた本写生図は、東大植物学とその発展を支えた植物画制作の歩みを示す貴重な新出資料です。

主催:東京大学総合研究博物館


【「山田壽雄植物写生図」について】
 「山田壽雄植物写生図」は、2017年冬に東京大学総合研究博物館のバックヤードから発見されました。制作者の山田壽雄(1882-1941年)は、明治の終わりから昭和初期にかけて活躍した植物画家で、植物学者・牧野富太郎 (1862-1957年)による著名な『牧野日本植物図鑑』(1940年 北隆館)の図を分担作画した人物です。着色図367枚、単色図167枚の計534枚を数える本植物写生図の多くには、作画した年月日とともに、描かれた植物を入手した経緯が背面に書かれています。それらの記載から、1909年から1937年にかけて制作されたものであることが確認できるほか、しばしば山田が牧野に同行して植物を入手したり、小石川植物園(東京大学大学院理学系研究科附属植物園)で牧野が採集した植物をもらい受けていたりしたことがわかります。
 本写生図の多くは『牧野日本植物図鑑』や、牧野の他の著作『図説 普通植物検索表』(1950年)あるいは『原色 日本高山植物図鑑』(1953年)の図と構図が酷似しており、それらの原図を作成する際の下図あるいは参考図として用いられたものと考えられます。したがって、山田による本植物写生図は、植物を忠実に描写した優れた植物画であるばかりではなく、『牧野日本植物図鑑』をはじめとする、牧野の著作物の成立過程を明らかにする上で重要な情報をもつ資料としても価値が高いと言えます。

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