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HAGAKI
研究者コラム

出版計画再構築中(7)

 出版社に原稿を届けてあって、いまだ刊行するに至らぬままになっている本もある。表題を『遊覧的彷徨——東西文献ミュージアム』とすることにした。2012年に出版した拙著『浮遊的前衛』の姉妹編とすべく、書籍、文献、出版について、これまでに書き溜めてきた原稿を全面改稿したものである。多くの人の感じるところであろうが、パソコンを使うようになって作文量が飛躍的に増えた。結果、A5判3百20頁の前拙著をさらに上回るものになりそうである。とはいえ、造本意匠で「姉妹編」であることは判るようにしたい。前拙著は「朱夏(赤)」でくるんだ。今度の本は、眼にも鮮やかな「青春(緑)」を基調色にしたい。もし後続があるようなら、「白秋(黄)」として、最後は「玄冬(黒)」で止めにする。谷崎潤一郎は創作にあたって五色の原稿用紙を用意していたと言われるが、文豪のダンディズムに倣う出版計画を実現したい。

西野嘉章(インターメディアテク館長、東京大学総合研究博物館特任教授)

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