JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
HAGAKI
研究者コラム

インビトウィーン・ワールド

 なぜ演劇創作プロジェクト「Play IMT」を続けるのかと自分に問うならば、この取り組みを始めた時から答えに変わりはない。死して動かない動物や人工物ばかりが並ぶミュージアムに、生きて動く俳優たちの身体が加わった時に生み出される新しい世界が見てみたい。インターメディアテクの空間と展示物とそこに集まる人々に着想を得た、ここでしか実現できない独自性ある創作活動をしてみたい。このような「演劇×ミュージアムの実験」に対する期待と意欲があるからである。演劇パフォーマンス『Play IMT (7)—インビトウィーン・ワールド』のタイトルに用いた「インビトウィーン」という言葉は、ミュージアムと演劇という「二つの世界をつないだ間に生まれてくるもの」を意味している。俳優という存在がそのための「媒介役」であることに注目してほしいという思いも、この言葉がもつ二重の意味に込めた。館内の天井に翻る布のインスタレーションと、肖像画の額縁の中に俳優がうつし出された映像インスタレーションは、このコンセプトを暗示する仕掛けとなっている(12月3日まで公開)。

寺田鮎美(東京大学総合研究博物館特任准教授)

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