JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク

特別展示『十九世紀ミラビリア博物誌――ミスター・ラウドンの蒐集室より』のご案内

2019-08-30

*より詳細な情報はPDFファイルをご覧ください。
「主要展示物」画像付PDF

■本展覧会の特徴
「19世紀科学の教育遺産」

- 英国のコレクターが収集した19世紀科学教材の逸品、約50点を公開
- ボヘミア生まれの標本師ブラシュカ父子による、希少なガラス製の生物標本14点
- 加藤竹斎の「木材扁額」、幕末の『魚蟲類図鑑』など里帰り品11点
- 学術遺産に新たな光を当てる先進的な取り組み

■展示概要
 銀行家ジョージ・ラウドン氏は、本業の傍ら欧州各国の文化施設に有形無形の支援を続ける一方、一九七〇年代末から現代美術の蒐集で先見の明を披瀝してきました。また英国を発信源とする文化芸術活動の良き理解者、先導者としてもつとに知られています。ラウドン氏は、ボヘミア生まれの標本師ブラシュカ父子が制作した十九世紀ガラス標本の見事さに衝撃を受けたと言われます。以来、蒐集対象として関心を寄せるようになったのが、近代科学の教育遺産だったのです。フランス人オズーの解剖学標本、双頭猫の剥製標本、中国の観相学標本、イタリアの蝋製教材、インド、北米、南米、中欧ほか各地の自然史標本群、素材も多種多様な十九世紀科学教材が含まれており、明治初期に小石川植物園の画工加藤竹齋が制作した「木材扁額」、幕末の『魚蟲類図鑑』、天球儀と平天儀のセットなど、里帰り品を含む五十点の稀少史料が、今回日本へ貸し出されることになったのです。ラウドン氏は十九世紀科学を「過去」のものとして懐旧的な眼差しで眺め返すというのでなく、わたしたちが「いま」を生きている現代の価値体系のなかで、今日のデザイン感覚に照らしつつ、再活性化させてみせようとしています。時代の流れのなかで忘れ去られようとしている学術遺産をあらたな審美的価値の発掘へつなげようとする蒐集家の発想は、現代のミュージアムが課題として取り組まねばならない問題を、一歩も二歩も先駆けていると言うことができます。

■基本情報
名 称:インターメディアテク博物誌シリーズ(5)
     特別展示『十九世紀ミラビリア博物誌――ミスター・ラウドンの蒐集室より』
会 期: 2019年10月19日(土)から2020年2月24日(月・祝)まで
時 間: 11:00―18:00(金・土曜日は20:00まで開館)*時間は変更する場合があります
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)、年末年始、その他館が定める日
会 場:インターメディアテク2階「GREY CUBE(フォーラム)」
主 催:東京大学総合研究博物館
入館料:無料
住 所:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE2・3F
アクセス:JR東京駅丸の内南口から徒歩約1分、東京メトロ丸ノ内線東京駅地下道より直結、千代田線二重橋前駅(4番出口)より徒歩約2分

■関連イベント
講演会『十九世紀ミラビリア博物誌――私の蒐集室』
講師:ジョージ・ラウドン氏
日時:2019年10月19日(土)14:00–15:30(13:30開場)
会場:インターメディアテク2階ACADEMIA(レクチャーシアター)
参加費:無料(事前予約不要)
定員:48席(先着順)*席に限りがありますので予めご了承ください。
使用言語:英語(通訳付き)
主催:東京大学総合研究博物館

■関連出版物
展覧会図録
カードリーフレット
ポスター

■主要展示物
1. 
果物標本
フランチェスコ・ガルニエ・ヴァレッティ作/19世紀/ワックス・ムラージュに彩色/100×510×410mm/ラウドン・コレクション
イタリア北東部の農学校で使われていた教育教材。
2. 
ヨーロピアンパーチ
ヴァーツラフ・フリッツ商会製/19世紀末/石膏に魚類皮、彩色/210×365×95mm/ラウドン・コレクション
自然科学の教材・標本を手掛けたヴァーツラフ・フリッツ商会(プラハ)による魚類標本。
3. 
『ザリガニ』
ジュール・フィリップ・ルイ・アングラ著/1905年頃/仕掛本/280×195mm/ラウドン・コレクション
一枚ずつめくるようにして生き物の内部構造を理解させる仕掛け本。

■お問い合わせ先
03-5777-8600(ハローダイヤル)

PDFファイルをダウンロード

一覧に戻る