2023年2月7日より、特別公開『カトレヤ変奏―蘭花百姿コロンビアヴァージョン』が始まる。本展示は、コロンビアのボゴタ現代美術館(ミヌト・デ・ディオス大学文化団体)と東京大学総合研究博物館との国際協働によるモバイルミュージアム・プロジェクトの東京展となる。2021年にインターメディアテクで開催した特別展示『蘭花百姿―東京大学植物画コレクションより』(同名の書籍は2022年に誠文堂新光社より出版)のスピンオフとして企画された。コロンビアの現在の国花はカトレヤ・トリアナエというカトレヤの一種である。このことは、本企画に着手する初めてのオンライン・ミーティングにて、コラボレーターから教えてもらって私も初めて知った。その後、展示物候補としてさまざまな蘭の植物画を具体的に見ていったところ、カトレヤ・トリアナエに導かれるかのように「カトレヤ変奏」というタイトルにたどり着くことができた。展示紹介のアイコンには、コロンビアと日本で描かれた二つのカトレヤ・トリアナエの図を用いている。右はムティス『新グラナダ王国の王立植物探検隊の植物相』(マドリード王立植物園デジタルライブラリ所蔵)、左は加賀正太郎『蘭花譜』(東京大学総合研究博物館所蔵、2/7−3/5まで展示)より。
寺田鮎美(東京大学総合研究博物館特任准教授)
Ayumi Terada