秋が過ぎ、木々が葉を落とすと、新たな発見がある。夏の間は見えなかった鳥の巣が見つかるのだ。先日、近所の公園を歩いたら、あっという間に10個以上もの巣が見つかった。いくつかは知っていた。去年、あるいは2年前のカラスの古巣もあるし、今年使っていた巣もある。ハシブトガラスとツミは巣の場所も特定していた。だが、これほどオナガの巣があったとは。オナガは複数のペアが集まって繁殖するから、同じ公園に巣がいくつもあるのはもちろん不思議ではない。この公園には、春から夏の間には何羽ものオナガがいたし、確かに防衛しようとしているエリアもあった。そう考えて思い出してみると、なるほど、オナガが大騒ぎしていたあたりにはちゃんと巣があるのだ。そして、ツミの巣の目と鼻の先に作られた小鳥の巣。これはヒヨドリだろうか? 確かに猛禽であるツミが近くにいれば外敵は近づけない。しかし、ツミはいつ捕食者にジョブチェンジするかわからないのだ。鳥にとって営巣とはそれほどギリギリの選択なのだろう。
松原始(東京大学総合研究博物館特任准教授)
Hajime Matsubara