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HAGAKI
RESEARCHERS COLUMN

近刊予告篇(二)

 以前、玄風社から出版した『装釘考』のカウンター・パートが近刊予定となっている。『書姿考——拙著造本篇』なる単著がそれである。他人の本の装釘について云々するのはひとまず中止して、拙著では自分がこれまでに手掛けてきた本を吟味してみる。デザインはどうか、造本はどうか、というわけである。このように言うと、業腹な話にも聞こえるかもしれないが、約言すれば、書物はいかにあるべきか、それについてどのように考えるか、私なりの考えを開陳したいと思ったのである。一九七〇年代初めの同人誌から昨年の近刊書まで、タイムスパンでいうと半世紀に亘る拙著出版史であり、拙著造本批判である。外装には半世紀ほど前に制作した作品を使いたいと考えている。右に掲げた『装釘考——拙著篇』の表題は仮のもので、最終的にどのようなものになるのか、まだ決まってはいない。図版と本文の割付を画定し、外装について思案しているところである。このところモノクロ図版の活用について考える機会が多く、拙著についても外装をモノクロ写真とし、小口墨染めにできないだろうかと考えている。もちろん、コストとの兼ね合いを考えねばならないわけだが。

西野嘉章(インターメディアテク館長・東京大学総合研究博物館特任教授)

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