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HAGAKI
RESEARCHERS COLUMN

ザルツブルクに行ってきました

 平素よりご来館いただきまことにありがとうございます。今年2月にザルツブルクで行われた『THE 11TH OPEN EUROPEAN TAXIDERMY CHAMPIONSHIPS® 2018』に交連骨格を出品し、同時に催されるセミナーを受けに英語ができないのに一人で行ってきました。これまで一冊の本を頼りに試行錯誤しながら一人でやっては来たが、はたして剥製や交連骨格の製作技術が発達している場所でも通用するのか? それを確かめるために、実際に審査員や他の出品者に評価をしてもらうのと、セミナーに参加して考え方や技術などを学ぶのが目的です。出品作品が並ぶ展示会場は、一般公開される前夜に参加者のみが内覧できる時間帯があり、出品者はそこで自身の作品の審査結果を知ります。開場とともに歓声を上げながら入場する参加者は自身の審査結果を確認し、お互いほめたり慰めたりします。幸い私が出品した作品は、交連骨格部門の専門家クラスで優秀賞をいただくことができました。会場では技術や表現について活発に議論し、気になる作品を観察する様子が見られましたが、これこそが技術が発展していく理由なのだと感じました。日本でもここ数年で実際に作られる方も増え裾野は広がったように感じます、そこから高みや深みを目指す人が多く現れるのを願ってやみません。ところで初めの海外、めちゃくちゃきつかったです。あと、食事がみんなしょっぱい!!

中坪啓人(東京大学総合研究博物館特任研究員)

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