国内外の多くの方々からご支援を賜り、一年を大過なく過ごすことができた。ここに迎える新しい年もまた、実り多き年になるよう願うばかりである。来る三月末、インターメディアテクは開館以来、五年目の節目を迎える。企画展、講演会、音楽会、上演会、ワークショップなど、多種多様なイベントに忙殺された月日であった。図録、目録、写真集、(不定期刊行)冊子を出版し、併せてグッズ開発もおこなってきた。支援と連携の環も着実に拡がっている。国内の篤志家からは、ジャズSP盤コレクション、蓄音機コレクション、自然史学標本コレクションの寄贈があった。国外からは歴史的展示ケースの寄贈、国有コレクションの長期ローンの実現があった。協働企画展の申し入れも各所から頂き、なかのいくつかは実際に海外展として実現した。海外からの来館者の評判も頗る良い。「入館無料」の文化施設、その公益性を外国人の方が高く評価してくださっているのである。今年も職員一丸となり、社会から付託された使命を全うしたいと思う。
西野嘉章(インターメディアテク館長、東京大学総合研究博物館特任教授)